FOTOCAMERE ITALIANE-Ferrania

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フェラーニア アルファ 80mm? F9
FERRANIA DELTA 80mm? F9

Alfa1.jpg  フェラーニアは今では3M傘下に入ってますが、イタリアでフィルムっちゅーたらフェラーニアを指すほどなんすよ。で、コダックやアグファと同様にしっかりとカメラも作っていたんすが、その一号機は1935年のその名もズバリ"Box"と言う箱型カメラで、その後FilmaなどのBoxカメラも売られました。んでもって戦後の1945年に出たライカタイプの形状のボディを持つ金属カメラの第一号がこのアルファなんです。分かりやすいネーミングじゃー。
 機構はフィルムメーカーの作るカメラの常で、非常に単純っす。つまり、ノンコーティングの単玉で絞りがF9固定のレンズと、多分1/30秒の単速シャッター(I)にバルブ(P)を加えただけのエバーセット式シャッター、フィルム送りも赤窓式と、まあ、簡易カメラの王道を行くっちゅー感じ。でも、当然目測ながら、フォーカシングできるのは立派かも。後のこの手のカメラからは焦点も固定と言うものが多いですからねぇ。 Alfa2.jpg
Alfa3.jpg  フィルムサイズは127で、4x6判になりま。裏蓋は蝶番で開き、裏にはちゃっかり自社製フィルムの絵がプリントされてま。ボディは薄い金属製で、ぐっと推したらつぶれそうな印象です。シボ革も貼られておらず、ただザラついた塗装が施してあるだけなんす。

フェラーニア ベータ 80mm F9?
FERRANIA BETA 80mm F9?

 次にベータですが、こいつはフィルムサイズが120フィルムを使う6x6判で、ちょっと大柄になります。でも、アルファや下記のエータと決定的に異なるのは、ボディがベークライト製なことなんですな。何でこいつだけ素材を変えているのか理解に苦しみます。
 これに対して機構は全く変わらぬ単玉・単速ギロチンエバーセットの赤窓式巻上げです(たった22字で説明完了〜)。フィルムサイズを変えて色々なバリエーションを揃えておきたかったのでしょうね。でもやっぱ素材を変える必要はないのに…。
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Beta2.jpg  レンズは単玉なのは申し上げ候ですが、明るさははっきりとした表記がなく不明。ただ、アルファとエータは固定鏡胴なのに対して、こいつは1cm程の沈胴式になってま。で、表記は明るさではなくて焦点距離がF=80となってまして、一般的には大文字のFが明るさになるのですが、その辺はあまり気にしていないようです(ワテもでやんす〜)。でもやっぱこれだけ表記を変える必要はないのに…。
 裏蓋を開けるとこいつにもフェラーニアのフィルムのマークが。他のフィルムを入れちゃダメですぞ。
 シャッターはバルブと1/30秒程度の単速ですが、切り替えはちょっとだけ高級感のあるレバーがレンズ脇に付いてます。でもやっぱこれだけレバーの形状を変える必要はないのに…。
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フェラーニア エータ 80mm? F9
FERRANIA ETA 80mm? F9

Eta1.jpg  こやつも上記アルファやベータと同年に出たモデルなんですが、モロ廉価版です。「廉価版って、アルファから何を省けるの〜?」と疑問に思われる方もさぞ多いことでしょうが、省いちゃったんです、軍艦部を! 大胆でしょ? で、完璧なモナカ型の蝶番式になり、上部にビシッと切れ目が横に走ってます。ファインダーブロックも見事に取って付けたようなしょぼいものになりましたが、光学系は全く変わらんので、見え方は同じです。元からしょぼかった証明ですな。
 も一つ大胆に削ったところがありまして、それはフォーカシング機構です。アルファでさえプレスして溝を付けたような、最高にしょぼい(←なんか矛盾する表現)感触のヘリコイドだったんですが、それさえも省略ですから、こうなると「良くやった」と褒めてやりたくなります。巻き上げノブもプラスチックになってますし、この徹底したしょぼさはもう並じゃありませんな。物資の不足した終戦直後とは言え、日本では考えられないでしょう。 Eta2.jpg
Eta3.jpg  でもやっぱ裏蓋を開くと自社フィルムの絵だけは忘れずプリントしてます。商魂たくましいです。
 ところで、製造年は『Made in Italy』によるとアルファが1945年となってるのに、別の本ではアルファもエータも1940年となってるんですよ。どっちが正しいのかは不明。もう知らん…。

フェラーニア ゼータ・デュプレックス / デュプレックス2 105mm F11
FERRANIA ZETA DUPLEX / DUPLEX2 105mm F11

2Zeta.jpg  この機関車トーマス的なBoxカメラはゼータと言いまして、1945年に発売された面白い機構をちょろっと備えたモデルなんですな。何が面白いって? それは秘密、と言うのはウソで、後でお話させて頂きま。
 実は同年によりシンプルなゼータの初期モデルが発売されてまして、次に左の黒いゼータ・デュプレックスが、翌46年に右のグレーの(黒もあり)ゼータ・デュプレックス2が発売されたんですよ。
 レンズは焦点距離が明記されてませんが、『LA PRODUZIONE DELLE FOTOCAMERE ITALIANE』によると105mmとなってます。信じましょう。んで、絞りは一応2段階になっていて、にっこり笑った口のようなところのレバーを真ん中にするとF11、左にするとF16になります。じゃあ、右は?と言うと、こちらにするとイエローフィルターが登場! おっと、カラクリその1をもう暴露しちゃった。ちなみに2型はレンズ左にレバー移動し、F11・F16・F22と単に3段絞りになりにけり。 2Zeta2.jpg
Zeta4.jpg  シャッターはおそらく1/20秒くらいの単速で、バルブとの切り替えはデュプレックスが向かって左側面のシャッターレバーの下にありまして、デュプレックス2はレンズ右横のつまみを移動させるようになってます。
 フィルムの装填は巻き上げノブを引き抜いて向かって右側面のボタンを押して箱を外します。中を見るとフィルムレールの上下のところに変な板がひらひらしてますが、これが初期モデルにないフィルムサイズ変更のマスクでして、フィルムセット時に開いておけば6x9、閉じておけば6x4.5になります。あ、最後のカラクリを言っちゃった。もうありません。
 フィルム送りは定番の赤窓式。フィルムサイズが変更できるので、窓が二つ用意されています。でも、これも両者で形式が異なってますが、やはり2型の方が洗練されてますね。それにしても、「Z2」と大胆にプリントされてますが、バイク好きのワテには「ゼッツー」と言うとバンカラなカワサキの男臭いナナハンを思い出しちまいますが、フェラーニアではずいぶん可愛らしいカメラになるのですなあ。シャッターを切ったら「フォンフォーン!」と集合管のような音がしたりして。

フェラーニア・エリオフレックス ガリレオ・モノグ85mm F8
FERRANIA ELIOFLEX OFFICINE GALILEO MONOG 85mm F8

Elioflex.jpg  ミラノにあったイタリア最大のフィルムメーカーだったフェラーニアでは、多くの場合簡易型のカメラを製造していました。この1950年製のエリオフレックスも例外ではなく、一見普通の二眼レフのようですが、実態はそりゃーもー単純そのものの簡易ボックスカメラみたいなものです。何しろ、せっかくの二眼レフなのに、ピント合わせは目測なんだもん。え?「んじゃ、二眼レフの意味ないじゃん」だって? そう、ワテもそう思いま。だって無意味だもん。
 では、このビューファインダー側のレンズは何のためにあるのか? ただの光学ファインダーなら、屈折させると左右が逆像になって使いづらい二眼レフ風にするより、レンジファインダー風にした方がいいに決まってるでしょ。でもあえてこうしたのは、思いますに蛇腹のスプリングカメラにも屈折させたファインダーが付いていたでしょ? あれの流れで、当時の人たちは、あまり屈折した光軸に違和感を感じていなかったのではないのでしょうかね。実は48年にフェラーニアではロンディネーというボックスカメラとも二眼レフともとれるカメラを作っていますが、そのファインダーはスプリングカメラに付いた屈折ファインダーに良く似た感じでしたね。そのロンディネーを発展させてビュー側のレンズを大きくしてまんま二眼レフにしたのがこのカメラなんですよ。もちろん当時はローライ等の二眼レフが売れていましたから、それにあやかって「なんちゃってローライ」に仕上たのでしょう。上下のレンズに挟まれた、シャッター/絞りの両ダイアルにそれが伺えちゃったりします。
 で、そのシャッタースピードですが、これはギロチン型の簡単なもので、B.1/25〜1/200秒までの5速が用意されています。フィルムを巻き上げるとチャージされるところは立派ですが、巻き上げそのものは赤窓確認式で、自動ストッパーはありません。でも、巻き上げていたらシャッターもチャージされていることになり、その場合シャッター羽根を見ると黒くなっていますが、シャッターを切ると赤い羽根が現れ、これによって巻き上げていないことが分かる訳です。ちょっとしたアイデアですね。

 これに対して絞りはF8〜22までの4段階が用意されていまして、それは右のように真四角の形状を採っていました。これまた簡単な形ですよね。レンズがまた簡単で、ガリレオ製ですがただの単玉レンズです。多分、周辺部の像の乱れのため、わざと開放絞りでも右のように光路を狭めたのでしょうが、一見F3.5くらいに見えるものの、結果としてF8というくらいレンズになりました。ちなみに53年のエリオフレックス2型ではここが改善されて、F6.3の三枚玉が使われています。 Elooflexlens.jpg

2Elioflex.jpg  こちらはそのエリオフレックス2を並べた画像ですが、ビューレンズは同じ口径であるものの、撮影レンズはf値の明るい2型の方が小さいんですよねー。まあ、こちらは単玉ではないので、小さくてもレンズを周辺までフルに使っているからでしょう。でも、レンズ名がFERRANIA ANASTIGMATICO 75mm F6.3になっちまったのは遺憾です。つーか、イカンですなあ。やっぱガリレオの名前が消えちゃうと、魅力も半減。絞りの機構は全く変わらんもので、数値だけF6.3〜F18の4段階に変更されてま。

 さてさて、問題のファインダー部ですが、覗いて見ると強い凸レンズがいきなり付いていて、何だか目を近付けることができません。最低でも20cmは離れて見ないと、目がくらくらしてしまいます。当然フォーカシングスクリーンはありませんので、明るいファインダーですが、ミラーの形やレンズの丸い枠まで見えちゃうのはご愛嬌。気にしないこってす。ファインダーの蓋の上面にはスポーツファインダーが付いていて、これを立ち上げて中心を合わせて撮る限り、意外と精度は良いようです。それにしても変なカメラですね。なお、このようなヘリコイドと連動しないビューファインダーを持つ二眼レフはブリリアント式と呼ぶそうですが、マジで無意味だと思いますね(笑)。

フェラーニア ファルコ S ガリレオ・テーログ105mm F4.5
FERRANIA FALCO S OFFICINE GALILEO TEROG 105mm F4.5

Falco1.jpg  こちらのご立派なスプリングカメラは、1949年製のファルコSと言うモデルですぜ。ファルコのシリーズは46年に始まる簡単なオリジナルモデルがありまして、これをバージョンアップしてシャッターとレンズをより良いものにしたのが48年のファルコ2型で、さらにそこから巻き上げとシャッターボタンロックの機構を連動させ、f6.3のレンズをf4.5のレンズに変更したのがこのS型っちゅーわけ。マルコさんの『Made in Italy』ではシュタインハイル製のレンズが付いたタイプが紹介されていますが、いくらかのバリエーションがあったんでしょうなあ。ワテとしてはこのガリレオ製のレンズの方が嬉しいかな。それにしても、このファルコSはフェラニアのカメラにしては良くできてまっせ。
 さーて、まずはそのレンズですが、オフィチーネ・ガリレオ製のテーログ105mm F4.5という三枚玉が使われてます。このレンズはしっかりとシアン系コーティングが施されてて、作りも上記のエリオフレックスのものと違って安っぽくないせいか、かなりイケそうな雰囲気を匂わせてくれます。
 そのレンズに付けられているのがプロンターSシャッターで、B・1〜1/250秒まで備えてます。シンクロとセルフタイマーも付いてるもんで、ほとんどの撮影に対応できまっせ。絞りはF4.5〜F25までの大陸絞り。ただ、レバーがF4.5またはF25よりもちょっとばかし回ってしまいます。一体、正確な値はどうなんでっしゃろね?
 フィルムの巻き上げは向かって右側の大きなノブで行います。すると左側の小さなノブが、フィルムが引っ張られることで回りまして、するとシャッターロックが解除されるんですね。こうして二重撮影を防止してるんですが、ま、これは普通かな。
 右の画像では、前蓋に三脚穴が空いていますでしょ。実は普通に底面にも開いていまして、結構細かいところにまで気を利かせてますね。えらいぞ。
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 フィルム送りは平凡な赤窓式。この時代ではよっぽどの高級機でもない限り、自動巻き止めにはなってないっすから、こりゃー仕方あるめぇ。つーことで、このカメラは決して高級機なわけじゃーないんですが、どの部分も手堅く作られていまして、フェラニアのカメラにしてはなかなか良くできたモデルっすよ。考えてみると、フィルムメーカーのフェラニア製の6x9判カメラはこのシリーズだけ。もっと作ってフィルムの消費量を増やす作戦をとれば良かったのにね。(←アフォ発言)

フェラーニア デルタ ビアプラン7cm F8.8
FERRANIA DELTA BIAPLAN 7cm F8.8

Delta1.jpg  1949年発売のなかなかお洒落な簡易カメラ。画像では分からんでしょうが、実際はとても小さくて、何やらハーフサイズ並みの大きさなんすが、フィルムは127を使用します。ですんで、ボディはギリギリまで切り詰めたサイズなんですな。具体的に申し上げますと、レンズを引っ込ました状態での縦x横x奥行きは、それぞれ79x117x52mmで、そうですなあ、キヤノン・デミ程度の大きさとでも言いましょうか。とにかく、これで4x6cmの画面サイズをカバーするのだから立派っす。

 ボディのデザインはさすがはイタリアン。大衆機といえども、いいアジ出してます。エルマンもモナカ形でしたが、こちらの方がよりモナカでして、上面の筋なんかは真性モナカ。で、左右に付いているダイアルは、向かって左側はフィルム装填のために上部を引き抜くストッパーを解除するもので、右側が巻き上げ用。セルフコッキングでも自動巻き上げストッパーも付いていないので、単純に赤窓で確認しながら巻き上げることになります。 Delta2.jpg

 シャッターも非常にシンプルでして、多分1/30秒程度の単速にバルブを加えただけのものっす。絞りもF8.8のままで変更できまへん。それにしても、これでもそれなりに写っちゃうのだから、精密な露出って一体…、と思っちまいます。わざわざ入射光式露出計を持って照度を測り、よし撮るぞと思って構えたカメラがコレだと笑えます。ギター侍に「しっかり露出計で測ってカメラを構えろって、いうじゃなーい。でも、それ単速ですからっ!残念っ!カッコだけ立派なイタカメ斬り!」と言われちゃいそう(^^)

Delta3.jpg  で、これがフィルムを装填する時の様子。上がすっぽり抜けるなんて大胆でしょ? 東京光学のミニヨンもこうでしたが、あちらは蛇腹でしたからねー。ちなみにレンズは引き出さないと抜けないんですよ。レンズには一応フォーカシング機構が付いていますが、ま、オマケみたいなもんです。

フェラーニア タニット
FERRANIA TANIT

Tanit1.jpg  何だか上のデルタと似たようなデザインのカメラっすが、こちらは3x4のサイズのより小型のモデルでやす。このモナカ型軍艦部は、フォトテクニカのバキナにも通じますが、イタリア人はモナカが好きだったのだろうか。←何をいう〜
 発売年は、ある本では47年となっていて、またある本では55年と言うように、どっちなんじゃい(`д´)。しかも執筆者が同じだったりして。ま、この辺は簡易カメラだけに、RF機とは力の入れようも異なるのでしょうなあ。作りからして55年が正解でしょう。
 シャッタースピード、固定絞り値ともに表記がないので一切不明ですが、ま、多分60mm F8か9程度のカメラで、スピードも1/30秒でしょう。レンズを見るともちろん単玉ですが、ノンコーティングですんで、ひょっとすると47年というのが正解かな。ちなみにこんなカメラですが、意外と入手は困難なようで、コンドールII程度のレア度のようです。国産機でもどうでもよろしいモデルは意外と出てこないものですが、あちらも同じなんですな。 Tanit3.jpg
Tanit4.jpg  シャッターボタンが斜めに付いているのはなかなかおしゃれ。んで、フィルムの装填も押さえの金具が手元に引き出せるので、とっても簡単。こいつはなかなか工夫されていて、狭いスペースを有効に使ってますな。
 後は赤窓式巻上げ+目測式ピント合わせ+ギロチン式単速シャッターと、お決まりの機能しかないっす。
 ストラップ金具を兼ねた裏蓋ロック金具はクロスターなどのカメラも採用していますが、逆さになった時に裏蓋が取れちゃわないか心配です。しかーし、こうしたカメラは中身がなくってえれー軽いので、その心配も無用ですかね。

フェラーニア リンス2 シュタインハイル・カッサー45mm F2.8
FERRANIA LINCE 2 STEINHEIL CASSER 45mm F2.8

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 50年代の半ば以降、オフィチーネ・ガリレオと折り合いが悪くなったフェラーニアっすが、レンズは自社ブランドのものやノーネームの安価なものを販売しつつ、若干高級感のある大衆機として59年に登場させたのが“リンス”です。で、61年にファインダーを一新させたこの“リンス2”を送り出したんですが、レンズもそれまでの「Dignar」から、シュタインハイル製のカッサーにアップグレードしてます。アップグレードと言っても結局は3枚玉でして、シュタインハイルは歴史的には重いものがありますが、やはりライツやツァイスのレベル、次のシュナイダーやローデンシュトックのレベルの下に来るイメージが一般的でして、まあ、当時からドイツ製としては比較的安価な納入価格だったんでしょうね。結構大衆機でシュタインハイルのレンズを使っているものを見かけます。ちゅーても、カスカ2用になると同社のレンズはどれもえれータケーんですがね。

 このリンス2の面白味は何と言ってもイタリアンな感覚全開のデザインでしょうな。なんすか、このカクカクした立方体は? ワテはこのカメラを見ていると、どうも怪物くんのキャラのフランケン(こんな顔だったっけ?→)を思い出してしまうんですよねぇ〜(笑)。それにしても「リンス」というイメージとはほど遠い…。 furanken.jpg

 おっと、そりゃそうと、このカメラのスペックですが、機構的にはな〜んも目新しいところはないっす(キッパリ!)。絞りはF2.8〜F22の7段階。大陸絞りではないので普通に使えます。シャッターは5枚羽で、スピードはBと1/25、1/50、1/200秒のたったの4速。1/100秒がないのは片手落ちと言われてもしゃーないですなぁ。別段フランケンみたいだからと言って、シャッターボタンを押しても「フンガー」とは音がしません(←コラ〜)。ちなみに、リンス3になって元来のVARIOシャッターからVEROシャッターに変更されています。でも、リンス3は軍艦部だけ一瞬ハンマートーンに見える深いグレーメタリック仕上で、エプロン部が従来のままなので何だかアンバランスになってます。
 あれ? もう機構の説明が終わっちゃった…。寂しい限りだから、もうちょっと細かく述べておきますと、ファインダーはブライトフレームの入った大きなもので、等倍ではないですが、なかなか見やすいです。パララックスの補正線も上部に見えます。中心部の「+」マークはいらないけど。
 巻き上げレバーはオリンパスペンFにも使われたデザインの埋め込み形。巻き戻しダイアルも埋め込まれたデザインになっていて、パーツの突起を極力減らしたかったんでしょうなあ。アクセサリーシューも絶えずスプリングの力で蓋が下から押されている状態で、フラッシュを取り付ける時はこれを押し下げるようにして挿入しますが、ここまで突起をなくそうとしたわりに、エプロン部はもっこりと出っ張ってます。ですんで、結構肉厚で持ちづらいデザインになってます。でも、シャッターボタンが前面に付いているのはナイスかな。下のダースト・アウトマティカもそうですが、結構イタリアンは軍艦部上の出っ張りを嫌うのかな? フォーカルプレーン機ではあんなに凸凹していたのに、不思議なもんですなあ。

フェラーニア・ロンディネー リネアー7.5cm F8.8
FERRANIA RONDINE LINEAR 7.5cm F8.8

Rondine3.jpg  1948年、フェラニアはファルコのようなスプリングカメラと単純なボックスカメラを作っていましたが、このロンディネーはボックスカメラの代表選手ですね。127フィルムを使うとてもちっこいカメラで、機構もベンチーニ並に単純です。でもデザインはさすがにイタリー。とても可愛らしい印象で、結構今になって人気が高いんだそうですよ。ちなみに当時は黒・赤・青・緑・茶という具合に、レザーの色を選択できたんですよ。
 127フィルムを使いますが、サイズはスクエアではなく4.5X6cmで、縦長になります。こんな小さいカメラなのに立派でしょ? でも、厳密には4.2X5.7cmという感じですが。それにしても、この小ささで35ミリカメラよりも面積の大きなフィルムを使うんですから、考えてみると驚きものですなあ。
 ファインダーはご覧の通り上部に付いた枠を立てるだけの簡単なもの。ただし、二眼レフと古い蛇腹のスプリングカメラに付ける屈折ファインダーの合いの子みたいなファインダーがレンズの上にポツリと付いてるでしょ? これがこのカメラの可愛らしさを深めているような気が。はっきし言って別になくてもよろしーパーツなんですが、やっぱないとあまりにも素っ気ないデザインのカメラになります。でも使わん、まず使わん、やっぱ使わん、と言ったアイテムなんですが(^^)
 フィルムの装着は上の画像のように横から中を引き抜き、そこに中判カメラで多いΩ形にフィルムを曲げてセット。フィルムの巻き上げは右手で横にあるノブを回し、背面の赤窓でコマ送りをチェックしながら行います。わざわざ書くまでもないほど単純っす。
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Rondine2.jpg  シャッター速度は「1」と「P」とあるだけ。「P」はバルブですからいいとして、「1」って一体…。ま、見たところ1/20秒程度かなあ。絞りもなくて、明るさの表記もないのよね。レンズ名だけはLINEAR 7.5cmとプリントされてますが、ただの単玉です。シャッターの後ろに小さなくり抜かれた穴があり、多分F11くらいに固定されてるのかなと思ったら、ある本でF8.8であるとおせーてもらいました。中途半端じゃー!
 で、ロンディネーにはいくつかのタイプがございまして、フォーカシングできない初期型、フォーカシング機能が付いた中期型、シンクロ接点を備えた後期型となりまして、この画像のカメラは後期型になりますね。更に、上部のファインダーを省略したものもありまして、それは名前をコリブリ(Colibri)と変えてました。しかし、たかが1個パーツを外しただけで別モデルですから、「新型登場!」なんて言われても、当時の人は期待しなかったでしょうなあ。

フェラーニア・イビス プリマー75mm F9
Ferrania Ibis Primar 75mm F9

Ibis1.jpg  1950年発売の"イビス"シリーズのNo.1。でもって、単純度もNo.1っす。マジすごいっすよー。現時点でワテが所有する単純イタカメリストの中では、そーですねぇー、1位はべんちーに君のところのミニコメットちゃんですが、2位はフィロテクニカ家のサバ缶君とこのイビスちゃんのいい勝負。缶詰製法のサバ缶君はさすがにキョーレツですが、何せシャッターがBとIの2速ありますもん。それに対し、イビスちゃんはBすらないマジ単速。でも、沈胴式ですし、ボディの作りはこっちの方がいいし、結局どっちもいい勝負。
 しっかしまあ、よくもここまで割り切れたもんですが、沈胴にはナゼかこだわりがあるんですなー。75mmの単玉では確かにフランジバックがビョーンと長くならざるを得ませんから、こりゃ仕方がないですが、それにしてもイタカメには「何としても沈胴!」みたいな気風があるのも事実なんですよ。クロスターには1cmに満たない沈胴カメラがありますからねぇ。ちなみにこのイビスちゃんはただ引っ張り出すだけのタイプですが、スプリングのサポートがあっていい感じです。 Ibis2.jpg
Ibis3.jpg  フィルムはお決まりの127で、4x6のサイズになりま。モチ赤窓式っすよ。んでもって、単玉の周辺部の歪みを補正するつもりで、焦点面をカーブさせてはいます。"写るんです"はプラスチックレンズでも非球面ですから、周辺部が補正されてるのは当然なんすが、イビスちゃんはレンズ側にはコーティングもなーんも施してないっすから、写りは推して知るべしです。でも、単玉って中心部はいい写りをするんですよね。あくまでも中心部だけっすが。

フェラーニア・イビス 6x6 プリマー85mm F9
Ferrania Ibis 6x6 Primar 85mm F9

Ibis66A.jpg  上記イビスと同様、何だかアラブ文字みたいなネームの彫られたカメラでやんすが、これも立派なイタリアンでして、その名はイビス66。いびつではありません。このカメラはフェラーニア版のベンチーニ・コロールみたいなもんでして、シンプル度は120判では互いに覇を競い合うレベルですぞ。年代はこのカメラが1955年製造なので、かえってベンチーニに負けてるかもしれませんです。ボディの仕上げもアルミ・バフ仕上げのあちらの方が、明らかに勝ってるでしょうが、デザインは似たり寄ったりのレベルで、どんぐりの背比べですな。
 で、このカメラもシンプル過ぎて、な〜んの解説も必要がないんすが、一応スペックを記入しておくと、レンズはプリマーと名付けられた単玉の85mmで、ボディに表記はないのですが、絞りはF9だそうです。一見F2.8級のレンズに見えるんですが、単玉の常として、鏡胴内に小さな穴が空いていて、これが固定絞りになっているんですね。で、その前に付いているシャッターはエバーセットのギロチン式。これまた単速で、良くは分かりませんが、多分1/40秒程度のもののようです。別にバルブも付いていて、レンズ下部の爪を動かしてシャッターを変更するだけ。うーむ、シンプルだ〜。 Ibis66B.jpg
Ibis66C.jpg  このカメラにはシンクロ接点が設けられていて、鏡胴を引っ張り出すと、鏡のような筒の向かって左側の側面にコソーリ穴が空いていま。
 フィルム巻上げは6x6であることから、モロ単純な赤窓式。その赤窓も一切覆われることもなく、日差しが強い時に背面を日に当てていたら、変に感光してしまうでしょうなあ。間違いないっ! あ、一応、巻上げノブは逆方向には回らないように作られてます。←当り前じゃん
 んでもって、シャッターボタンはご覧の通りなるべくレンズシャッターに近付けるべく、妙に鏡胴に近いところにあるでしょ。おかげで軍艦部左側が妙にシンプルになっちまいました。ただ、唯一エライところは、このシャッターボタン、鏡胴を引っ張り出さないとシャッターから伸びる棒とかみ合わないんで、何度押してもスカスカ。んまあ、エライっつっても、これまた当り前なんすがね。ちと大袈裟に言っとかないと褒めるところがねーんです(ToT)。
 裏蓋はご覧の通り取り外し式。ストラップの取付金具を両方とも引き下げると外れますが、よく見ると裏蓋が曲がってるでしょ? 圧板もカーブしていてフィルムを曲面でセットしますが、これは単玉の周辺部の歪みを多少なりとも軽減させることが目的なんですなー。アフォなりに頑張ってるっちゅうこってす。 Ibis66D.jpg
 ところで、このカメラより先に、フェラーニアでは127フィルムを使った4x6判の上記イビスを50年に、ガリレオ・テーログレンズとプロントールSシャッターを備えた6x6判のアストールが52年作られ、デザインは前者、ボディは後者を利用して、後に作られたのがこのイビス6x6なんですなー。でも、せっかくアストールで焦点調整のできるしっかりしたレンズシャッターカメラを作ったのだから、イビスにもそれを盛り込んで欲しかったですのぉ。

フェラーニア・イビス 44 アクロマティコ65mm F7.7
Ferrania Ibis 44 Acromatico 65mm F7.7

Ibis44A.jpg  同じイビスでも、がらりと趣を変えたモデルで、1955年の発売です。イビスシリーズの最終モデルですが、同じデザインでイビス34ちゅうベスト半裁判の姉妹機が出とりました。で、こっちはその名の通り127フィルムを4x4のスクェアで写しま。それまでの真っ黒いびつ、おっとイビスとちゃいまして、軍艦部がそれらしくきれいに仕上げられていて、「ちと高級かも」と思わせるものがありますでしょ? でも、これが大したことないんだなあ、実は。だって、これ、ただのアルミのプレスだもん。メッキじゃないっすよ。
 まあ、とは言え、それまでのモデルからすりゃぁ格段に機能は向上してま。シャッターもB、1/50、1/100秒と高速側が一つ加わりましたし、絞りもf7.7開放(と呼んでいいものなのか〜)にf12が加わりましたからね。絞りっちゅーても小さな丸いくり抜きの板が出てくるだけなんすが。シャッターだってエバーセット式のギロチン君のだし、別段基本的にはなーんも変わってなかったりして。 Ibis44B.jpg
Ibis44C.jpg  ちっちゃいファインダー接眼部の左にもっとちいちゃな穴が空いていますが、フィルムを巻き上げると下の赤い印が引っ込もうとします。これは新たな工夫です。でも、フィルム送り自体は当然赤窓式ですから、こんなもんあっても意味が全くないような気がしますねぇ。そうそう、赤窓の上に何やらパーツを引っ掛ける爪のようなものが付いてますが、一体これは何を付けるものなんでしょ? タニットにも付いてましたが、ケースで上から覆われちゃうし、意味不明です。

フェラーニア・エウラ 75mm F8
Ferrania Eura 75mm F8

Eura1.jpg  さーて、今度はいささか無茶な50年代カメラ、エウラの登場ですよ〜。50年代と言っても、正確には59年発売でして、それにしてはあまりにおこちゃまちっくです。国産でもフジペットというのがありましたが、確実にこちらの方が中味はスカスカでっせ。参ったか!←威張るなっちゅーの。
 でも、こいつは6x6判でかなりデカいので、日本人のおこちゃまのおててでは少々難あり。やっぱヨーロッパ人のおこちゃまは手がデカいのだろう。←ちゃうだろ〜!
 ボディは一眼レフ並にデカいんすが、材質はプラスチックなので、えれー軽いんです。そうねぇ、このカメラの半分以下の大きさのドゥカーティの重さの半分もないっすよ。携帯電話並です。
 レンズはネーム不詳の単玉で、一応2mから∞までのフォーカシングができるのはイビスより上です。絞りもf8とf12の二つが付いてます。ここもイビスを超えてますが、鏡胴の右側の爪を上にずらすと、単に小さな穴の空いた黒い板がレンズの後ろに現れるだけなんすがね。
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Eura3.jpg  シャッターはやはりエバーセットのギロチンくん。ただ、ボタンが省略されていて、鏡胴脇のレバーを下げるだけ。気合入らねえ〜。しかもバルブも省略。1/30秒程度の真正単速とは、恐れ入谷の鬼子母神ですなぁ。
 巻上げは底部の向かって左にあるノブを回す赤窓式。反対側のノブは裏蓋ロックの解除用のもの。しかし、裏蓋に接眼レンズが付いているのはこのカメラだけでしょ。
 いやはや、それにしても写真を撮る気にさせないカメラでやんすね。そのくせ、右のように立派なケースにセットが詰め込まれて販売されてたみたいで、一体全体どういった層をターゲットにしてたのかしらん。マジでおこちゃま向けだったのかねぇ。 Eura4.jpg

Fotocamere Italiane Index